■選考基準は

美容クリニックの看護師というと世間一般では華やかな世界というイメージが強く、また看護業界においては看護のキャリアにならないと言われてしまうという風当たりの強い一面もあります。
では、本当のところ美容クリニックの看護師とはどんな職業なのか、ちょっと覗いてみましょう。
美容クリニックの看護師に求められることは、一般の病院とはかなり異なります。
その理由は美容クリニックの患者さんはお客様にあたるからです。
お客様は美容の技術のみならず丁寧な接客を期待してクリニックにいらっしゃいます。
つまり一般の看護師は看護能力の質を問われますが、美容クリニックの看護師はそれとは別に接客の技術や丁寧な言葉遣いなどのコミュニケーション能力を求められるのです。
また、美容系の業種であることから選考基準に容姿が含まれる職場もあります。
肌のきれいさや髪のツヤなど清潔感を感じさせる容姿が求められます。
さらに比較的若い看護師を求める職場が多く、40代前後あたりからは敬遠されてしまう傾向があります。

■勤務時間は

基本的に患者さんは体調不良で入院なさっているわけではありませんから夜勤や休館はありません。
つまり日勤のみになります。
しかし美容皮膚科勤務の場合は看護師主体の仕事になる場合が多く、レーザー照射の技術を磨くなど自分自身で技術を向上させる必要があります。
また看護師が不手際を起こした場合には、クレーム対応で残業になる場合もあります。

■気になるお給料は

美容クリニックのお仕事は高収入、高待遇と言われていますが、クリニックによっては営業ノルマのある場合もあります。
ノルマの内容は職場によって様々ですが施術の契約件数であるとか、化粧品の売り上げであるとか、達成できない場合には減額されてしまうこともあります。
逆に契約件数や売り上げによって報奨金制度を設け、お給料に上乗せしてくれる職場もあります。
営業力に自信があるのであれば、多額の副収入を得ることも可能でしょう。

■転職したくなったら

美容クリニックのデメリットとして、看護師としての経験年数にカウントされないという特徴があります。
上記のように厳しい部分も多い業界ですから転職したくなる場合もありますが、美容クリニックの経験の長い看護師では病院への転職が難しくなります。
しかし美容業界内での転職も40歳前後になると敬遠されてしまうことから転職は難しいかもしれません。

■美容看護師のメリット

美容看護師の仕事は厳しい側面も確かに多いですが、美容クリニック勤務にもメリットもあります。
患者さんの最期を看取ることや苦しむ姿を見続けなくて済むことは精神的な負担が少なくて済みますし、仕事が日勤のみというのは身体的な負担が少なくて済みます。
自分自身が美容医療の場に身を置くことで美容の知識を高めたり、クリニックの化粧品やケア用品を格安で入手できたりと、自らの美の向上に貢献できる側面もあります。
しかし何より大きいのはお客様に喜ばれるということではないでしょうか。
美容看護師はお客様に直接施術する機会が多くなりますので、お客様がきれいになることで喜んでいる姿を間近で見ることができます。
感謝されることも多いのです。
自分の技術を磨くことで誰かが喜ぶ姿に直接触れることができる、これは病院勤務の看護師ではなかなか体験できないことだと思います。
美容医療の世界で看護師になるということは安定した看護師としての道を外れるという側面があるのは確かです。
けれど、やらないで決めつけて後悔するよりはやってみて考えるというのもいいと思います。
若いうちしか入れない業界なわけですから、一度経験してみるのも見聞を広めるうえで良いでしょう。
お客様の「きれいになりたい」という気持ちを本心から応援できる、その過程をお手伝いしたいという方であればきっと頑張れます。

 

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