いくつかの条件が揃うことで高額の年収になる美容系医療の看護師勤務
■一般の医療機関からの転職
看護師資格を取ったら、ほとんどの看護師はまず病棟で数年間勤務するという形態が圧倒的に多くなっています。
これは、資格を取得するために勉強した学校と病院とが連携しており、看護師資格を取得した新人看護師を病院が確保するため、学校に協力していることが多いからです。
病院が看護師資格に合格できるように学校運営をしていることも珍しくなく、規模の大きな病棟を持つ病院では、新人看護師を3~5年は転職不可として雇用し、臨床経験を積んでもらうとともに、看護の担い手の確保しています。
5年経ってようやく転職可能ということになると、22歳で資格を取って働き出した人なら27歳、看護の手際は良くなっていても、そろそろ夜勤のある病棟勤務が体力的にキツくなる頃です。
そのため、この機会にと病棟勤務のないところへ転職する人も多くいます。
■美容外科をはじめとする美容医療という選択肢
医療機関に勤務して30歳になった5年以上の臨床経験を持つ看護師の平均年収は、およそ400万円前後と言われています。
体力的につらくなってくる年齢で年収400万円は少ないと感じる人の多くが美容医療への転職に興味を持つのは、美容外科をはじめとする美容クリニックの給料は高いというのが、看護師の間ではよく知られているからです。
美容皮膚科も美容に特化して治療を行うため、大きく分けると美容外科、美容クリニック、美容皮膚科のどれかで求人を探し、転職先を決めるという流れになります。
気になる年収をシミュレーションしてみると、5年以上の臨床経験を持つ正看護師が東京の美容クリニックで働いたときの年収の平均額は、490万円ほどという結果が出てきました。
同じ条件で病棟勤務だと年収は421万円程度、むしろ外来の方が年収は少し高めの428万円程度という逆転現象も起こりますから、病棟勤務から転職しようと考える看護師が多いのも分かります。
■美容クリニックの年収を左右するインセンティブ
美容医療に特化した美容外科や美容皮膚科などに転職した場合、上記の条件で年収600万円から700万円といった、かなり稼いでいる看護師も見つかります。
これは、美容クリニックの最大の特徴であるインセンティブという業績に応じたプラスアルファが基本給に乗るためで、インセンティブは大変という人もいれば、インセンティブがいいので嬉しいという人もいて、看護師それぞれの受け止め方や性分によって、年収に大きな開きが生まれると考えられます。
美容皮膚科を転職先に選び、美容に関することが大好きという看護師なら、自分が勤めるクリニックで販売しているコスメを使うこともあるかもしれません。
そのコスメがとても良かったら、自信を持って患者さんにも勧められますし、患者さんも看護師さんがそういうなら間違いないだろうから買ってみようかなという気になりやすいのが、クリニック側の狙いです。
その後は、その患者さんがコスメを買うたびに、紹介した看護師のインセンティブになりますので、年収はかなりアップすると考えられます。
美容皮膚科のコスメを一式揃えると、かなりの額になるからです。
■セールスと捉えるかアドバイスと捉えるかが年収を変える大きな要素
美容関連のことが大好きで、コスメについても詳しいという看護師なら、患者さんにコスメを紹介することはセールスではなくて、アドバイスだと考えられる人は、インセンティブを多く貰える可能性が高くなります。
良いコスメを使ってきれいになって欲しいという気持ちからする話なら、相手も耳を傾けてくれるでしょう。
きれいな肌を持つ看護師が、自分も使っていると言えば、購入しようかためらっている人の背中を押すことになるはずです。
その意味では、化粧品を買うことを勧めるのをセールスと考えるか、きれいになるためのアドバイスと考えて行うかによって、自分自身の看護師としてのプライドはもちろん、年収も高くなるでしょう。
美容外科においても、自分もここできれいになったと言えるなら、インセンティブに結び付く可能性があり、年収アップが期待できます。