■美容クリニックは看護師から人気の転職先

美容クリニックは一般の病院やクリニックとは違い、患者さんではなくお客様に対する対応が必要となるのが特徴です。

美容クリニックに訪れる人は健康に問題があるわけではなく、美を求めているわけですから看護師としてのコミュニケーションも変わって来ます。

自由診療のためクリニック側が料金設定を自由にできることもあり、総じて給与は高めになります。

そのため看護師からは人気の転職先となるのですが、営業的な要素も多い職場なので、そこは認識しておきましょう。

■美容クリニックのやりがい

病気でやむなくというわけではないため、施術に対して迷いがあるのが美容クリニック利用者の心理です。

そこで看護師としてはそうした不安を取り除き、安心して理想の状態になれるよう心遣いが必要です。

ビジネスマナーや接遇スキルが要求されるため、美容クリニックで働く看護師には医療技術以外にも学ぶべき要素がたくさんあります。

雑務も事務もありますし、大変に思うこともあるとは思いますが、一人ひとりのお客様にしっかり寄り添うことができる分、大きなやりがいがあります。

求める美を手に入れて心からの笑顔になれたお客様の顔を見るのが、美容クリニックの看護師にとって一番大きな感動となるでしょう。

■美容に興味があるなら天職

美容に興味があり、研究心が旺盛で、人と接することが好きならば、美容クリニックの仕事は天職となるかもしれません。

一般的に夜勤がなく高待遇と言われますが、土日祝日こそお客様が多いので休むことはできないでしょう。

ただ、命に関わることはなく急患対応もありません。

こうしたことは精神的な負担を軽減してくれますし、生活リズムも安定するでしょう。

自由な時間は美容に関する知識を深め、自分から積極的に勉強できる人が向いています。

一部の美容クリニックでは、社員割引制度を導入しています。

実際にお客様に提供している施術を自分でも受けることで、カウンセリング時などの説得力も変わっています。

ドクターズコスメなども取り扱っているところであれば、自分で購入して継続使用し、使い勝手などを確かめてみることも大切でしょう。

美容に興味がないと、そうしたことが苦痛になってしまう場合もあります。

やはり好きこそものの上手なれということを理解しておきたいですね。

■転職にデメリットはある？

一般の病院やクリニックから美容クリニックに転職する場合のデメリットは、やはり医療介助の技術を磨くのとは違う方向になることでしょう。

仕事では接遇が重要視されますし、営業的な対応やノルマが課せられて給与が変動するところもあります。

美に対して厳しいお客様は、施術の結果がイメージと異なっていた場合、強烈なクレームに直結してしまいます。

こうした営業面での対応が苦手な人は、一般病棟より苦痛の多い仕事になるかもしれません。

また、美容クリニック（脱毛等）に勤務していた期間は、看護師として臨床経験年数にカウントされない場合もございます。

もしまた一般病棟に勤めたいと思った場合は、経験のない新人と同様に一から学び直す気持ちが必要でしょう。

■自分に合う職場を探そう

美容クリニックを細分化すると、美容整形外科と美容皮膚科とに分かれます。

外科的手術を行うのが前者で、レーザーや注射などの施術を行うのが後者です。

美容整形外科の看護師にはオペ介助がありますし、術後のダウンタイムの経過観察にも留意する必要があります。

やはりメスを入れるとなると利用者の心理も不安でいっぱいになりますので、カウンセリングも重要です。

しっかり相手に寄り添う心遣いも必要ですね。

一方美容皮膚科では、メスを入れることがないため脱毛やアンチエイジングなどの施術が主となります。

レーザー機器や注射などは看護師の仕事になりますので、直接相手に触れて施術する点が最も大きなポイントでしょう。

短いスパンで定期的に治療を行うことで、理想的な皮膚のコンディションを保つことが要求されます。

長くクリニックに通うお客様も多いので、信頼関係を築くためにも高い接遇スキルが必要となります。

どのような職場でどのように働きたいか、自分の向き不向きも考えてしっかり選ぶ必要がありますね。