まずは、これまでのおさらいで以下に目を通していただけますと幸いです。
■気になるのは年収
美容外科、美容皮膚科、美容クリニックなど美容を目的とした医療機関はいろいろとありますが、気になるのは看護師の年収でしょう。
医療業界の年収は総じて高めですが、他の診療科目と比較しても非常に高い年収が話題になるのが美容外科・美容皮膚科です。
医療保険適用外なので治療料金の設定も自由ですし、分野として範囲が広いことが、この診療科目の年収を底上げしている理由でしょう。
現代では男性女性問わずあらゆる世代から人気があり、インターネットでの集患効果もあり収益を上げやすくなっています。
具体的に求人案件などを見ると、都心部の看護師求人では月収30~50万円という条件が目につきます。
医療業界でも月収30万円以上の高給与求人が全体の3割を超えるのは、美容医療業界だけでしょう。
日勤のみの一般病棟・外来でも高めの求人はありますが、全体の2割ほどしかありません。
転職先として真っ先に美容関連が候補に挙がるのも納得ですね。
しかも、インセンティブ制度(報奨金制度)を設けているクリニックもあり、そちらはさらに給与水準が高くなっています。
インセンティブ制度というのは一般企業の営業でもよく採用されていますが、契約件数に応じて給料に報奨金を上乗せする仕組みです。
美容外科であれば、看護師が美容医療に関心のある人の相談に積極的に乗ることなどで、実際に契約に結び付けば成果として認められるでしょう。
■美容外科に向く看護師とは?
給与面だけに惹かれて美容医療の業界に転職する前に、自分に合う業界かどうかはチェックしておいたほうが良いでしょう。
一般病棟との一番の違いは、相手が「患者」ではなく「顧客」である点です。
美容クリニックは楽で良いことづくしというわけではなく、サービス業者として徹することができることも大切ですね。
それでは美容外科に向くのはどんな看護師なのでしょうか。
・美容に興味がある
美容外科で働くなら、やはり美容に興味があったほうが良いでしょう。
治療に関して患者の悩みや不安などを取り除くのは看護師として必要なスキルですが、美容に関しては患者の心理や希望に対しても理解が必要です。
美しくなりたい、悩みを解消したいというデリケートな想いをきちんと汲み取れるのは、同じ気持ちを理解できる看護師です。
社員割引などを設けているクリニックもありますので、自分でも率先して施術を受けてみるのも良いでしょう。
・きちんと接客業ができる
前述の通り、患者に接するのではなく、お客様に接する姿勢が必要です。
一般企業のように営業活動も必要ですし、クレーム対応も大切です。
その代わり、どこに出ても恥ずかしくない接客スキルが身に付きやすいので、ビジネスマナーを学べるのは大きなメリットでしょう。
・幅広い業務をこなせる
美容外科の看護師は、注射やオペ介助などの医療補助のみが業務ではありません。
クリニックにもよりますが、受付や電話応対、カウンセリング、セールスなど様々な一般業務や、滅菌業務、院内清掃などの雑務もこなさなければいけません。
また、webサイトやSNS、ブログの管理など広報も担当する場合があります。
看護をしながらいろいろな仕事に挑戦してみたいという人は天職ですね。
■美容整形外科と美容皮膚科の違いも大切
美容クリニックというと全体を指すことが多いですが、詳しくは美容整形外科と美容皮膚科の違いがあります。
もちろん両方兼ね備えているクリニックもあります。
美容整形外科は、主に形成外科の医療技術で外科手術を行う科です。
美容皮膚科は、一般的にメスを使わない医療技術で肌に関する悩みを解消する科です。
美容整形外科はオペがあるので比較的給与待遇も高めになる傾向がありますが、やはり看護師もオペ介助ができるスキルが優遇されます。
今までに外科や手術室の経験があれば優遇されやすいでしょう。
美容皮膚科は点滴や注射が主になるので、給与水準は外科ほどではないですが、ハードルは低くなる傾向にあります。